会社法第61条

参考条文

(設立時募集株式の申込み及び割当てに関する特則)
第六十一条  前二条の規定は、設立時募集株式を引き受けようとする者がその総数の引受けを行う契約を締結する場合には、適用しない。

解説

設立時募集株式について総数引受契約を締結する場合には前2条は適用されません。

総数引受契約とは1人または特定の複数人で当該募集株式の全てを引き受ける申し込みをするものです。この方法はごく短期間で株式を発行し資本を集めることができます。

会社法第62条

参考条文

(設立時募集株式の引受け)
第六十二条  次の各号に掲げる者は、当該各号に定める設立時募集株式の数について設立時募集株式の引受人となる。
一  申込者 発起人の割り当てた設立時募集株式の数
二  前条の契約により設立時募集株式の総数を引き受けた者 その者が引き受けた設立時募集株式の数

解説

申込者は発起人が割り当てた株数、総数引受契約者はその者が引き受けた株数の引受人となります。

会社法第63条

参考条文

(設立時募集株式の払込金額の払込み)
第六十三条  設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
2  前項の規定による払込みをすることにより設立時発行株式の株主となる権利の譲渡は、成立後の株式会社に対抗することができない。
3  設立時募集株式の引受人は、第一項の規定による払込みをしないときは、当該払込みをすることにより設立時募集株式の株主となる権利を失う。

解説

①:引受人は発起人が定めた期日までに、発起人が定めた取扱い場所(銀行等)へ払込金額の全額を払い込む必要があります。②:引受人は払い込みをしなければ株主となる権利を失います。③:なお、株主となる権利を譲渡したとしても、成立した株式会社には対抗できません。

会社法第64条

参考条文

(払込金の保管証明)
第六十四条  第五十七条第一項の募集をした場合には、発起人は、第三十四条第一項及び前条第一項の規定による払込みの取扱いをした銀行等に対し、これらの規定により払い込まれた金額に相当する金銭の保管に関する証明書の交付を請求することができる。
2  前項の証明書を交付した銀行等は、当該証明書の記載が事実と異なること又は第三十四条第一項若しくは前条第一項の規定により払い込まれた金銭の返還に関する制限があることをもって成立後の株式会社に対抗することができない。

解説

①:発起人は引受人が払い込んだ銀行等取扱い場所に対して株式払込金保管証明書の交付を請求できます。②:

会社法第65条

参考条文

(創立総会の招集)
第六十五条  第五十七条第一項の募集をする場合には、発起人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間の末日のうち最も遅い日以後、遅滞なく、設立時株主(第五十条第一項又は第百二条第二項の規定により株式会社の株主となる者をいう。以下同じ。)の総会(以下「創立総会」という。)を招集しなければならない。
2  発起人は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、いつでも、創立総会を招集することができる。

解説

①:募集設立を行う場合、株式引受けの払い込み期日の最終日以後、発起人は遅滞なく設立時株主による創立総会を招集しなければなりません。

また②:期日最終日以後なら、必要があるときはいつでも創立総会を招集できます。

会社法第66条

参考条文

(創立総会の権限)
第六十六条  創立総会は、この節に規定する事項及び株式会社の設立の廃止、創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項に限り、決議をすることができる。

解説

創立総会では、「この節に規定する事項」「株式会社の設立の廃止」「創立総会の終結その他株式会社の設立に関する事項」に限って決議ができます。

会社法第67条

参考条文

(創立総会の招集の決定)
第六十七条  発起人は、創立総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  創立総会の日時及び場所
二  創立総会の目的である事項
三  創立総会に出席しない設立時株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
四  創立総会に出席しない設立時株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
五  前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
2  発起人は、設立時株主(創立総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない設立時株主を除く。次条から第七十一条までにおいて同じ。)の数が千人以上である場合には、前項第三号に掲げる事項を定めなければならない。

解説

①:創立総会を招集する前に発起人が定めなければならない事項について記述しています。これらは次条の通知にて記載しなければなりません。

それらの事項は、下記のとおりです。

  • 創立総会の日時・場所・目的
  • 創立総会を欠席する設立時株主が、書面や電磁的方法で議決権を行使することができることとするときは、その旨
  • その他法務省令で定める事項

なお②:創立総会における議決権を行使できる設立時株主が1000人以上の場合は「欠席時における書面による議決権行使の旨」を定めなければなりません。

会社法第68条

参考条文

(創立総会の招集の通知)
第六十八条  創立総会を招集するには、発起人は、創立総会の日の二週間(前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときを除き、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合にあっては、一週間(当該設立しようとする株式会社が取締役会設置会社以外の株式会社である場合において、これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間))前までに、設立時株主に対してその通知を発しなければならない。
2  次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
一  前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合
二  設立しようとする株式会社が取締役会設置会社である場合
3  発起人は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、設立時株主の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該発起人は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
4  前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
5  発起人が設立時株主に対してする通知又は催告は、第二十七条第五号又は第五十九条第三項第一号の住所(当該設立時株主が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を発起人に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
6  前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
7  前二項の規定は、第一項の通知に際して設立時株主に書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する場合について準用する。この場合において、前項中「到達したもの」とあるのは、「当該書面の交付又は当該事項の電磁的方法による提供があったもの」と読み替えるものとする。

解説

創立総会の招集の通知について記述しています。

①:発起人は、創立総会を実施する日の原則2週間前までに設立時株主に対して通知を発信しなければなりません。例外として下記の場合にはもっと遅くても構いません。この通知は発信主義です。

  • 前条の「欠席する株主の、書面または電磁的方法により議決権を行使できる」旨を定めない非公開会社→1週間前
  • 取締役会非設置会社の場合で、これを下回る期間を定款で定めた場合→定めた期間

そしてその通知の方法は書面による場合と電磁的方法による場合があります。②:「前条の”欠席する株主の、書面または電磁的方法により議決権を行使できる”旨を定めた場合」と「取締役会設置会社」の場合には書面で通知しなければなりません。③:「設立時株主の承諾を得ていた場合」は電磁的方法により通知を発することができます。

そしてその通知の方法は書面による場合と電磁的方法による場合があります。②:「前条の”欠席する株主の、書面または電磁的方法により議決権を行使できる”旨を定めた場合」と「取締役会設置会社」の場合には書面で通知しなければなりません。③:「設立時株主の承諾を得ていた場合」は電磁的方法により通知を発することができます。

会社法第69条

参考条文

(招集手続の省略)
第六十九条  前条の規定にかかわらず、創立総会は、設立時株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。

解説

創立総会は設立時株主の全員の同意があり、かつ、欠席する株主の書面または電磁的方法により議決権を行使できる旨を定めていない場合は招集手続きを省略できます。

会社法第70条

参考条文

(創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付等)
第七十条  発起人は、第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「創立総会参考書類」という。)及び設立時株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
2  発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、設立時株主の請求があったときは、これらの書類を当該設立時株主に交付しなければならない。

解説

①:創立総会にて欠席株主が書面で議決権行使ができる場合には、発起人は設立時株主への通知と同時に、議決権行使の参考となる資料と議決権行使書面を交付しなければなりません。②:通知を電磁的方法による時は、参考資料と行使書面も電磁的方法によって提供できます。③:ただしその場合でも株主から書面でほしいと請求があれば、書面を交付しなければなりません。

会社法第71条

参考条文

第七十一条  発起人は、第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第六十八条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、創立総会参考書類を交付しなければならない。
2  発起人は、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による創立総会参考書類の交付に代えて、当該創立総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、設立時株主の請求があったときは、創立総会参考書類を当該設立時株主に交付しなければならない。
3  発起人は、第一項に規定する場合には、第六十八条第三項の承諾をした設立時株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、設立時株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。
4  発起人は、第一項に規定する場合において、第六十八条第三項の承諾をしていない設立時株主から創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該設立時株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。

解説

創立総会にて欠席株主が電磁的方法で議決権行使ができる場合には、発起人は設立時株主への通知と同時に、議決権行使の参考となる資料を交付しなければなりません。②:通知を電磁的方法による時は、参考資料と行使書面も電磁的方法によって提供できます。③:この場合は議決権行使書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければなりません。また④:書面による通知とした場合でも、株主から議決権行使書面に記載すべき事項を電磁的方法で提供してほしいと請求があれば、電磁的方法で提供しなければなりません。その場合は株主は創立総会の日から1週間前までに請求しなければなりません。

会社法第72条

参考条文

(議決権の数)
第七十二条  設立時株主(成立後の株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて成立後の株式会社がその経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして法務省令で定める設立時株主を除く。)は、創立総会において、その引き受けた設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。
2  設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限がある種類の設立時発行株式を発行するときは、創立総会において、設立時株主は、株主総会において議決権を行使することができる事項に相当する事項に限り、当該設立時発行株式について議決権を行使することができる。
3  前項の規定にかかわらず、株式会社の設立の廃止については、設立時株主は、その引き受けた設立時発行株式について議決権を行使することができる。

解説

①:創立総会における設立時株主の議決権は、定款に手単元株式数を定めている場合は1単元1議決権、定めていない場合は1株1議決権です。

②:株主総会においての議決権行使制限株式を有する株主の場合は、株主総会で認められる事項に関してのみ、創立総会でも議決権を行使できます。③:ただし株式会社の設立廃止については議決権行使制限株式の株主でも議決権を行使できます。

会社法第73条

参考条文

(創立総会の決議)
第七十三条  創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行う。
2  前項の規定にかかわらず、その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、当該定款の変更についての創立総会の決議は、当該創立総会において議決権を行使することができる設立時株主の半数以上であって、当該設立時株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって行わなければならない。
3  定款を変更してその発行する全部の株式の内容として第百七条第一項第三号に掲げる事項についての定款の定めを設け、又は当該事項についての定款の変更(当該事項についての定款の定めを廃止するものを除く。)をしようとする場合(設立しようとする株式会社が種類株式発行会社である場合を除く。)には、設立時株主全員の同意を得なければならない。
4  創立総会は、第六十七条第一項第二号に掲げる事項以外の事項については、決議をすることができない。ただし、定款の変更又は株式会社の設立の廃止については、この限りでない。

解説

創立総会の決議要件についての記述です。

①:創立総会の決議要件は、原則「総株主の議決権の過半数」かつ「出席株主の議決権の3分の2以上」です。

②:内容によってはそれ以外の要件となる場合もあります。会社の発行株式すべてを取得条項付株式とする定款の設定・変更に関する決議は設立時株主全員の同意が必要です。

③:なお、創立総会では、「創立総会の招集通知に記載した目的」と「定款の変更」、「会社設立の廃止」についてしか決議できません。

会社法第74条

参考条文

(議決権の代理行使)
第七十四条  設立時株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合においては、当該設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面を発起人に提出しなければならない。
2  前項の代理権の授与は、創立総会ごとにしなければならない。
3  第一項の設立時株主又は代理人は、代理権を証明する書面の提出に代えて、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、当該設立時株主又は代理人は、当該書面を提出したものとみなす。
4  設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。
5  発起人は、創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができる。
6  発起人(株式会社の成立後にあっては、当該株式会社。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)は、創立総会の日から三箇月間、代理権を証明する書面及び第三項の電磁的方法により提供された事項が記録された電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店。次条第三項及び第七十六条第四項において同じ。)に備え置かなければならない。
7  設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)は、発起人が定めた時間(株式会社の成立後にあっては、その営業時間。次条第四項及び第七十六条第五項において同じ。)内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一  代理権を証明する書面の閲覧又は謄写の請求
二  前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求

解説

①:設立時株主は議決権の行使を代理人にしてもらうことができます。②:設立時株主又は代理人は、創立総会毎に代理権を証明する書面を発起人へ提出しなければなりません。発起人の承認があれば書面ではなく電磁的方法でも構いません。③:創立総会の招集通知を電磁的方法でする場合は、代理権の証明を電磁的方法ですることを、発起人は正当な理由なく拒んではいけません。④:そして発起人は受け取った代理権証明文書・電子書類を創立総会の日から3カ月間、発起人が定めた場所に保管しなければなりません。会社が成立したら本店に移す必要があります。

設立時株主は、代理権を証明する書面・電子文書の閲覧・謄写の請求を発起人に対してできます。

④:なお、発起人は創立総会に出席することができる代理人の数を制限することができます。

会社法第75条

参考条文

(書面による議決権の行使)
第七十五条  書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。
2  前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。
3  発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
4  設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。

解説

創立総会における議決権の行使を書面でする場合の方法について記述しています。

①:議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに発起人へ提出します。

発起人は受け取った議決権行使書面を、発起人が定めた場所に創立総会日から3カ月間保管し、設立時株主はいつでも提出した議決権行使書面の閲覧・謄写の請求ができます。